社伝によると、5世紀初めごろの第18代反正天皇の時代に、神武天皇の母・玉依姫(たまよりひめ)が黄船に乗って淀川、賀茂川(鴨川)、貴船川をさかのぼり、現在の貴船神社の奥宮あたりに船を留め、そこに社殿を建てたのが始まりといわれています。
奥宮には玉依姫が川をさかのぼる時に乗ってきたといわれる黄船を、人目につかないように小石を積んで囲んだものといわれる「船形石」があります。航海にでる時は、この小石を戴いて携帯すれば海上安全に過ごせるそうで、航海のお守りといわれています。
また、貴船神社の奥宮といえば、「丑の刻参り」でも有名な場所です。
昔、宇治の橋姫が貴船神社の奥宮に丑の刻(午前2時)参りをし、男に呪いをかけたという伝説があり、それをもとに書かれた謡曲『鉄輪』が広く知られ、丑の刻参りの跡らしき五寸クギが実際に残されています。
しかし「丑の刻参り」というのは、貴船神社の祭神・高おかみ神が貴船に降臨されたのが丑年丑月丑日丑刻だと伝える古事によるもので、人々のあらゆる心願成就に霊験があり、呪いを叶えるというものではないそうです。
どことなくひんやりとした貴船神社の奥宮です。